令和6年(行ケ)10132【地盤固結材】<清水響裁判長>
令和6年(行ケ)10132【地盤固結材】<清水響裁判長>
⇒進歩性〇(取消決定取消)
特許庁は、引用発明に対し、「マグマアクション法」等の技術事項を組み合わせることで、本件発明の構成(特に注入条件)は容易に想到できたとした。
本判決は、以下の理由から、進歩性を認めた。
①固結原理の相違
本件発明の地盤固結材は「懸濁型グラウト」であり、スラグの水硬性によって固結する。一方、甲5等の文献に記載された技術は「溶液型グラウト」であり、地盤のpH(土中のアルカリ分との反応)によって固結する。両者は固結の原理が異なる。
②(固結原理の相違に由来する)注入条件の適用不可
甲5等の文献が記載するマグマアクション法は、酸性の溶液型グラウトが土中のアルカリ分と反応して固結する場合の注入条件(土中ゲル化時間より長く注入する等)に関するものである。固結原理が異なる以上、この注入条件がそのまま本件発明の懸濁型グラウトに適用できるとはいえない。
③示唆の欠如
甲5等の文献には、マグマアクション法を懸濁型グラウトに適用できることを示唆する記載はない。甲9文献には懸濁型グラウトへの言及があるものの、その固化メカニズムやマグマアクション法との関連性は明らかではない。
https://www.courts.go.jp/assets/hanrei/hanrei-pdf-93495.pdf
※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
本件に関するお問い合わせ先:h_takaishi☆nakapat.gr.jp(☆を@に読み換えてください。)
