【論稿/米国意匠】米国意匠法による仮想空間における商品等の保護(山口洋一郎、パテント誌2025年8月)

【論稿/米国意匠】米国意匠法による仮想空間における商品等の保護(山口洋一郎、パテント誌2025年8月)

1. 米国意匠制度の特異性~物品の用途は無視される
米国の意匠法は特許法の一部(35 U.S.C. §171)であり、特許の原則が適用される。最大の特徴は、「クレームの前文に記載された物品の用途が原則として限定にならない」という点にある。
新規性の判断: 本願物品と全く異なる技術分野の公知意匠であっても、形状が実質的に同一であれば新規性欠如の根拠となる(例:圧縮ガス用カプセルの新規性が「ビン」の意匠によって否定された事例がある)。
権利範囲: 意匠権は、用途の異なる他の物品に対しても行使可能である。登録意匠が被疑侵害物品の「部分」を構成しているだけでも、物品全体に対して権利を行使できる。

2. 仮想空間におけるデザインの保護
米国では、ディスプレイに表示される「アイコン」や「GUI」は、ディスプレイの一部として保護対象となる。
現実から仮想への権利行使: 現実の製品(靴など)に関する意匠権は、その製品が仮想空間でディスプレイに表示・販売されている場合、「通常の観察者」が混同する程度に似ていれば、侵害を主張できる。
仮想から現実への権利行使: 逆に、仮想空間のディスプレイ上に表現された物品(仮想3次元の靴など)の意匠権を根拠に、現実空間で販売される同一意匠の物理的な製品を差し止めることも可能である。

3. 米国における最新の登録事例
米国特許商標庁(USPTO)の実務の柔軟性を示す、象徴的な登録例が挙げられている。

https://jpaa-patent.info/patent/viewPdf/4710

 
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※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
本件に関するお問い合わせ先:h_takaishi☆nakapat.gr.jp(☆を@に読み換えてください。)

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