【論稿/特許】食品産業における知財・無形資産(藤原研二郎、パテント誌2025年9月)

【論稿/特許】食品産業における知財・無形資産(藤原研二郎、パテント誌2025年9月)

1.食品産業は、その役割(川上・中流・川下)に応じて知財戦略が大きく異なる。

2.食品分野特有の論点
食品産業には、他の技術分野とは異なる「歴史」と「感覚」に起因する難しさがある。

『歴史の長さと地域性』:有史以来続く産業であり、地域ごとの差異が激しいため、「世界公知」の把握が困難である。

『風味の複雑系(デジタル化の困難)』:食品は純物質ではなく、時間変化する複雑な組成物である。味覚・食感・嗅覚が絡み合う「風味」を客観的に検証することは極めて難しく、結果として「言語化できないスキル(ノウハウ)に頼らざるを得ない構造がある。

『独占が利益の最大化とは限らない』:新商品の類似品が出ることで市場全体の「食経験」が増え、結果として市場が拡大する場合もある。

3. ノウハウと無形資産の活用
食品産業において、特許切れ後もビジネスを継続させる鍵は「ノウハウのマネジメント」にある。

『製造ノウハウ』:原材料のバラつきをどう抑えるか、品質規格をどう保証するか。

『ブランドストーリー』:三島食品の「青のり」欠品時の対応や、サッポロビールの地名活用のように、信頼や物語を無形資産化する。

『技術継承(スキル)』:言語化をあきらめ、修行や徒弟制度を通じて「体感」として伝承する。

『識別ノウハウ』:消費者が自発的に生み出す「使い道」や「愛着」をブランドコントロールに取り込む。
https://jpaa-patent.info/patent/viewPdf/4690
 

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※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
本件に関するお問い合わせ先:h_takaishi☆nakapat.gr.jp(☆を@に読み換えてください。)

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