【論稿/意匠】部分意匠と全体意匠の類否判断の境界(意匠委員会、パテント誌2025年4月)
【論稿/意匠】部分意匠と全体意匠の類否判断の境界(意匠委員会、パテント誌2025年4月)
1.全体意匠と部分意匠が類似すると判断されるための4要件(意匠審査基準)
①用途・機能の共通性: 両意匠の物品等の用途・機能が同一または類似であること。
②部分と全体の対応: 全体意匠の用途・機能と、部分意匠の「クレイム部分」の用途・機能が同一または類似であること。
③位置・大きさ・範囲: クレイム部分の位置、大きさ、範囲が、当該分野においてありふれた範囲内であること。
④形状等の類否: 全体意匠の形状等と、部分意匠の「クレイム部分」の形状等が同一または類似であること。
2.類否判断の傾向(3パターン)
(1) クレイム範囲が広い事例
審査基準の「額縁」に近い類型である。
(2) 「要部」の有無が類否を分けた事例
単純な面積比率よりも、創作的特徴が含まれているかが重視される。
(3) 類否が緩やかに判断された事例(クレイム範囲が比較的狭い)
①食品包装用トレー:クレイム範囲が約6割であっても、ディスクレイムされた中央部分は「食品を載せると見えなくなる」という物品の特性から、見える周縁部の形状が共通していれば類似とされた。
②自動車用計器取付盤:クレイム範囲が全体の5割程度であっても、取付後に見えなくなる裏面を除外したものであれば、視認できる表面の共通性が重視される。
https://jpaa-patent.info/patent/viewPdf/4630
※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
本件に関するお問い合わせ先:h_takaishi☆nakapat.gr.jp(☆を@に読み換えてください。)
