【論稿/意匠】意匠の新規性喪失の例外適用手続の緩和(笹野拓馬、森有希、パテント誌2025年4月)

【論稿/意匠】意匠の新規性喪失の例外適用手続の緩和(笹野拓馬、森有希、パテント誌2025年4月)

1.法改正の背景
<従来の課題>出願から30日以内に全ての公開事実を把握・証明することが困難。わずかな証明漏れにより、自らの公開意匠が原因で拒絶されるケースが散見された。

<改正の概要>最先の日に行われた一の公開行為を証明すれば、その後の同一・類似意匠の公開は証明不要。

2.審査基準の主な改訂ポイント
①証明対象となる公開意匠の認定
「証明する書面」には公開意匠の写真貼付欄が新設された。実務上の運用として、写真に意匠の全容が映っていなくても、文章等から「展示会で公開されたその物品全体」が客観的に把握できれば、公開意匠として認定される余地がある。

②「最先の日」の定義
「時分(何時何分)」単位の先後は問わず、同じ「日」に複数の公開があった場合は、そのうちのいずれか一の行為を証明すれば足りる。

③物品の一部・部品の扱い
「自転車」の公開を証明すれば、その構成部品である「サドル」や「フレーム」が分離して識別可能であれば、それらについても証明されたものとして扱われる。

3.実務上の留意事項:手続緩和後も残るリスク
緩和されたとはいえ、出願人による「類否判断」に誤りがある場合、致命的な拒絶理由につながる可能性がある。
出願人が「類似」だと思って証明を省略しても、審査官が「非類似」と判断した場合、その公開意匠は例外適用の対象外となり、拒絶の引例となる。
「一部分のみのティザー広告」と「その後の製品全体」が非類似と判断される場合、それぞれの証明が必要となる。
形状が同じでも、模様(プリント等)が大きく異なる場合は、個別に証明を行うことが安全である。

意匠の新規性喪失の例外適用手続の緩和

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※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
本件に関するお問い合わせ先:h_takaishi☆nakapat.gr.jp(☆を@に読み換えてください。)

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