【論稿/意匠】職務創作意匠に関する裁判例の概観(藤本一、パテント誌2026年1月)
【論稿/意匠】職務創作意匠に関する裁判例の概観(藤本一、パテント誌2026年1月)
職務創作意匠のみに基づいて対価が請求された事件は5件あるが、認容された公刊裁判例は存在しない。
特許(職務発明)と比較した場合、「相当の対価」の算定プロセスにおいて以下の差異や留意点が認められる。
①『超過売上高の割合』:意匠の場合、特許に比べて代替意匠(美観を共通にしない他のデザイン)の選択が容易であるため、市場における独占的優位性が低く見積もられる傾向にある。
②『仮想実施料率』:特許権の実施料率の約半分(1.5% ~ 2.0%程度)と認定されることが多い。これは意匠の代替可能性を考慮した結果と解される。
③『従業者の貢献度』:特許と同様に5% ~ 10%程度とされるが、意匠は創作者の個性が発揮されやすいため、事案によっては高く認定される余地がある。
ただし、現時点での裁判例で高い貢献度が認められたケースは、原告の属人性が極めて高い等の特殊事情によるものである。
https://jpaa-patent.info/patent/viewPdf/4768
※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
本件に関するお問い合わせ先:h_takaishi☆nakapat.gr.jp(☆を@に読み換えてください。)
