【不競法/虚偽事実の流布告知】大阪高判令和7年(ネ)338<森崎裁判長>

【不競法/虚偽事実の流布告知】大阪高判令和7年(ネ)338<森崎裁判長>

将棋の棋戦(王将戦・銀河戦)の独占配信権を持つ控訴人が、当該棋戦のリアルタイムの指し手(棋譜情報)を盤面上に再現して配信していた被控訴人の動画に対し、著作権侵害を理由に削除申請等を行った。

⇒不法行為成立
著作権侵害に先立ち、不法行為を認定した。

日本将棋連盟等の主催者は、入場料収入が得られない将棋棋戦において、放送・配信権を許諾する対価で運営費用を賄うビジネスモデルを採用しており、控訴人は多額の負担をして配信権を得ている。
⇒被控訴人の動画配信は、控訴人の有料配信から得たリアルタイムの棋譜情報を無料で視聴者に提供するものであり、対価を支払って控訴人から配信を受けるファンを減少させ、控訴人に直接的な損害を生じさせるものである。
被控訴人は、上記ビジネスモデルを理解しながら、一視聴者としての費用負担のみでリアルタイムの棋譜情報を利用して収益を上げ、控訴人の収益構造を阻害した。これは、他の動画配信者がルールの範囲内で工夫して競争している状況において、自由競争の範囲を逸脱して控訴人の営業上の利益を侵害する違法な行為であり、不法行為を構成する。
被控訴人の配信行為が不法行為に該当する以上、同営業により得られる利益は法律上保護される利益に当たらない。
仮に棋譜の著作物性が否定されたとしても、プラットフォームの利用規約上、第三者に損害を及ぼす動画は削除対象となり得るため、不法行為者である被控訴人との関係では、本件削除申請が不当であったとはいえない。

https://www.courts.go.jp/assets/hanrei/hanrei-pdf-93782.pdf

 

 

※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
本件に関するお問い合わせ先:h_takaishi☆nakapat.gr.jp(☆を@に読み換えてください。)

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