平成31年(行ケ)10019<森>【L-グルタミン酸生産菌】

平成31年(行ケ)10019<森>【L-グルタミン酸生産菌】

 

①サポート要件

*各実施例のブランク値が異なるのは自然由来

⇒実施例は誤差でなく課題解決理解可能

⇒サポート要件〇

 

②進歩性

*引用例に記載されたデータの理解につき執筆者自身が述べた考察を重視した

⇒引用文献の執筆者が自ら実験をした上で…結果を分析し,…結論を導いている…,当業者がそれと異なる結論を敢えて着想するとは通常は考え難い 。

⇒進歩性〇

 

 

(判旨抜粋)

①サポート要件

…原告らは,…実施例8における野生株と19型変異株のグルタミン酸生産量の違いは誤差の範囲内…と主張する。…四つのブランク値が,それぞれ異なっていること…からすると,実施例 3,6~9について,実施例2記載の方法又は同様の方法で実施されたと記載されているものの,初発培地におけるグルタミン酸の濃度などの培養条件は実施例又は各培養ごとに異なるものであったと認められる。…各実施例におけるブランク値の違いは,天然物を起源とする大豆加水分解物に由来するものであると認められる…誤差に基づくものということはできない。…

 

②進歩性

…甲8のTable 1…の結果を受けて,クラマー博士をはじめとする甲8の執筆者らは,グリシンベタインなど多くが排出されている溶質については浸透圧調節チャネルから排出されたとしつつ,グルタミン酸の排出については,浸透圧調節チャネルではなく,担体による排出であるとの結論を導いている。Table 1.でグルタミン酸に次いで排出が制限されていることが観察されたリジンについては,…本件優先日当時までに,その輸送を担う担体がクラマー博士らによって発見されており,グルタミン酸の排出についてもリジンなどと同様に担体によるものであるとの説がクラマー博士らによって提唱されていた。そのクラマー博士が,自ら実験をした上でTable 1.の結果を分析し,甲8の共同執筆者の一人として上記のような結論を導いていることからすると,甲8に接した当業者が,それと異なる結論を敢えて着想するとは通常は考え難いところである。 https://www.courts.go.jp/assets/hanrei/hanrei-pdf-89439.pdf

 

※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
本件に関するお問い合わせ先:h_takaishi☆nakapat.gr.jp(☆を@に読み換えてください。)

 

https://www.nakapat.gr.jp/ja/legal_updates_jp/%E3%80%90%E7%89%B9%E8%A8%B1%E2%98%85%E3%80%91%E3%80%8C%EF%BD%8C%EF%BC%8D%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%82%BF%E3%83%9F%E3%83%B3%E9%85%B8%E7%94%9F%E7%94%A3%E8%8F%8C%E5%8F%8A%E3%81%B3%EF%BD%8C%EF%BC%8D%E3%82%B0/

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