【論稿/特許】進歩性判断のダブルスタンダード(高石秀樹、パテント誌2024年6月)

【論稿/特許】進歩性判断のダブルスタンダード(高石秀樹、パテント誌2024年6月)

『設計事項』の分水嶺
相違点に係る構成が「発明の課題」と相関し、その技術的意義が明細書に開示されているか否かが、容易想到性を分ける決定的な境界線となっている。

数値限定やパラメータ発明において、相違点が単なる設計事項として片付けられるか、あるいは進歩性が認められるかは、その数値限定やパラメータが「本件発明の課題解決」にどう寄与するかに依存する。

①進歩性を肯定するロジック: 発明の課題が非公知であるか、あるいは課題解決とパラメータが強く相関している。
『知財高判令和2年(行ケ)10044【…】<大鷹>』
『知財高判平成31年(行ケ)10011【…】<高部>』

②進歩性を否定するロジック(設計事項): 明細書に技術的意義(課題との相関)の記載がなく、当業者が適宜選択可能と判断される。
『知財高判令和3年(行ケ)10091【粘着テープ】<本多>』
『知財高判令和4年(行ケ)10111【車両ドアのベルトラインモール】<本多>』
出願時の当初明細書には、単に数値範囲やパラメータを記載するだけでなく、「なぜその数値範囲やパラメータが本件発明の課題解決に寄与するのか」という技術的意義(相関性)を明示的に記載することにより、進歩性を強化できる。

https://jpaa-patent.info/patent/viewPdf/4448
 
 
※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
本件に関するお問い合わせ先:h_takaishi☆nakapat.gr.jp(☆を@に読み換えてください。)

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