【論稿/不競法】品質等誤認惹起表示の救済について-(足立勝、別冊パテント2023年10月)

【論稿/不競法】品質等誤認惹起表示の救済について-景品表示法、独占禁止法における類似規定との対比も含めて(足立勝、別冊パテント2023年10月)

1.景品表示法・独占禁止法との対比
①景品表示法(5条1号・2号)
優良誤認・有利誤認を規制するが、主に行政処分の対象であり、事業者による差止請求は想定されていない。

②独占禁止法(19条・一般指定8項)
「ぎまん的顧客誘引」を規制する。
差止請求(24条)は可能だが、「著しい損害」という高いハードルが存在する。

③不正競争防止法(2条1項20号)
競争者による差止(3条)や損害賠償(4条)が認められており、私法上の救済として中心的な役割を果たす。
差止と損害賠償: 差止(3条)は「誤認のおそれ」があれば足りるが、損害賠償(4条)には故意・過失が必要である。比較広告等の事案では、実験結果の不合理性が判明しても、広告主に過失が認められず損害賠償が否定されるケース(キシリトールガム比較広告事件等)がある。

2.「品質」「内容」の解釈と判断基準
20号が掲げる事項は「限定列挙」であるというのが通説・判例の立場である。しかし、何が「品質・内容」に含まれるかは、取引の実情に即した柔軟な解釈がなされてきた。
判断基準:『具体的な取引の実情の下において、需要者が当該表示を商品の品質や内容等に関わるものと明確に認識し、それによって、20号所定の本来的な品質等表示と同程度に商品選択の重要な基準となるものである場合に、20号の規制の対象となると解するのが相当である』
★需要者がその表示を「品質の一部」として捉え、購入の決め手にしているかどうかが重要である。

客観性の要件:『誤認の対象となるのは、客観的に真偽を検証、確定することが可能な事実であることが想定されているというべきであり、客観的資料に基づかない言い伝え、伝承の類であって、需要者もそのように認識するような事項は、対象とならないと解するのが相当である』
真偽の検証が困難な「伝承」レベルの表示は、原則として20号の規制対象外とされる傾向にある。

3.主要な裁判例における「品質・内容」の該当性
裁判例では、何が20号(旧条文含む)の「品質・内容」に該当するかが個別に判断されている。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/patentsp/76/29/76_151/_pdf/-char/ja
 

画像


※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
本件に関するお問い合わせ先:h_takaishi☆nakapat.gr.jp(☆を@に読み換えてください。)

執筆

関連記事