大阪高判令和7年(ネ)1750【恋苺】<森崎裁判長>

大阪高判令和7年(ネ)1750【恋苺】<森崎裁判長>
(原審・大阪地判令和6年(ワ)5007)

*非類似(逆転)

本件商標:『恋 苺』
被告標章:『あわ恋いちご』

<(原審と異なり)分離観察を否定した>
「あわ」が地名「阿波」を意味するから出所識別機能を有さず、「恋いちご」が要部となるという商標権者の主張が認められなかった。

<外観>
本件商標は漢字の縦書き、被告標章は「恋」以外が平仮名でPOP体風の横書きであり、明らかに異なる。

<称呼>
「コイイチゴ」と「アワコイイチゴ」であり、文字数が異なり類似しない。

<観念>
「恋」と「淡い恋」では異なる観念が想起され、類似しない。

(判旨抜粋)
被告標章が上記デザインのパッケージに付されることによって、「あわ」の文字部分から地名である「阿波」が想起されるとしても、上記デザインのパッケージがいちごを同梱商品とする被告各商品のパッケージとして使用されているという取引の実情の下においては、被告標章は、「あわ恋」 と「いちご」を組み合わせた結合商標であることを前提に、「あわ恋」の「あわ」の文字部分に被告各商品の産地である地名の「阿波」を掛けていると理解されるにすぎないと考えられることになるから、被告標章と本件商標の類否を判断するに当たっては、被告標章を「あわ」と「恋いちご」に分離して観察することは許されない・・・。・・・
本件商標は、漢字を縦書きしているのに対し、被告標章は「恋」以外を平仮名で表記し、やや丸みのあるPOP体風書体の文字を等間隔にやや円弧状に1行かつ一連で横書きしたものであって外観において明らかに異なり、また本件商標は「コイイチゴ」の称呼を生ずるのに対し、被告標章は「アワコイイチゴ」の称呼を生ずるものであって重なる部分はあるものの、文字数が異なり称呼が類似しているとはいえない。そして、いずれも果実の名称であるいちごに、本来、味覚を表現しない心理、感情状態の語を組み合わせて、当該果実の味覚を表現するという手法で造られた言葉であるが、「恋」と「淡い恋」で違う観念が想起されるから、これといちごを組み合わせることで生ずる観念も類似するとはいえず、したがって、本件商標と被告標章は全体として類似するということはできない。
https://www.courts.go.jp/assets/hanrei/hanrei-pdf-95619.pdf
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※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
本件に関するお問い合わせ先:h_takaishi☆nakapat.gr.jp(☆を@に読み換えてください。)

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