標準化 ~標準化の戦略的な活用に向けて~
1. はじめに
世界には、USBや5Gのような標準化規格が多数存在します。このような規格は、ユーザにとっては、互換性や相互接続性が保証されることによる利便性の向上や、価格競争による購入価格の低下といった単純なメリットの享受にとどまるかもしれません。しかしながら、企業から見たとき、全く異なる風景が見えます。大きな成功を収めた企業を調べてみると、周到なビジネスモデルを構築し、戦略的に標準化を進めることで、競争優位を確保してきたことが伺えます。
2. 国際標準の種類
国際標準は、以下のように分類することができます。
(1) デジュール標準
公的標準。公的で明文化され公開された手続きによって作成された標準。
例:1995年:WTO/TBT協定、1996年:WTO/GP協定、ITU(国際電気通信連合)、ISO(国際標準化機構)、IEC(国際電気標準会議) (JIS、ANSI、DINは、それぞれ、日本、米国、ドイツの国内規格です。)
(2) フォーラム標準
関心のある企業等が集まってフォーラムを結成して作成した標準。
例:DVD、W-CDMA、LTE、Bluetooth、USB、IEEE
(3) デファクト標準
事実上の標準。個別企業等の標準が、市場の取捨選択・淘汰によって市場で支配的となったもの。
例:インテル、Windows、QRコード
3. 標準化の意義と目的
標準化には、以下のような意義があると言われています。
- 互換性・相互接続性
- 市場の拡大
- 低コスト化・調達の容易化
- 技術の普及
- 品質・安全
しかしながら、標準化は、以上のような意義に留まるものではありません。標準化を戦略的に活用することで、差別化、シェア獲得、競争優位を確保することが期待されます。特に以下の目標のために、自企業の非コア・イノベーション領域において標準化・オープン化を利用することが行われています。
①関連市場の拡大
関連する他企業の新規参入を促し、標準関連市場全体を迅速かつ持続的に形成・拡大する。
②差別化
標準に関連する自企業の技術・製品・システム及び関連サービスについて、競合技術や競合企業を標準化された技術の中に封じ込めて、自企業のコア・イノベーション領域の製品・サービス等の差別化を実現する。
③ライセンス料収入
標準を実施する他企業の製品・システム及び関連サービスについては、標準規格に必須の特許等のライセンス・アウトにより、ライセンス料を取得する。
4. おわりに
国際標準の獲得は、それ自体が目的なのではありません。しかも、業態・ビジネスモデルの違いにより標準化を活用した戦略は全く異なります。標準化後のビジネスを見据えた知財、標準、研究開発との一体的戦略を策定することが必須です。私達は、皆様の戦略の策定および遂行をお手伝いいたします。お気軽にお声がけいただければ幸いです。


