メディア ~メディア・報道における法律問題~
1. はじめに
メディアによる報道は、人々が情報にアクセスすることをサポートするという点において重要な意義を有するものですが、その内容によっては、名誉毀損、侮辱、信用毀損、プライバシー侵害、パブリシティ権侵害、著作権侵害、営業秘密の不正取得等に該当する可能性があります。
また、インターネットの発展により各企業や個人もSNS等を通じて容易に情報の発信主体となることができる現代においては、マスメディア以外の主体がこれらの問題に直面する機会も増えていると考えられます。
以下では、メディアに関係する法的なトラブルの例をご紹介いたします。
2. 具体的な事例
(1) 名誉毀損・侮辱
報道の性質上、他者を批判することが必要となることもありますが、このような記事を公表した場合には、名誉毀損や侮辱に該当する可能性があります。
(2) 信用毀損
他社の信用を毀損する内容の報道等をした場合には、民法上の不法行為(709条)の他、不正競争防止法2条1項21号に該当する可能性もあります。
たとえば、競合他社が知的財産権侵害をしていると考え、その旨のプレスリリースをした場合には、知的財産権侵害の事実が認められないと、プレスリリースをした側が逆に損害賠償請求をされてしまうこともあるので、プレスリリースの仕方には注意が必要です。
(3) プライバシー侵害
私生活上の事項について公表すると、プライバシー侵害が成立する可能性があります。
(4) 著作権侵害
報道等において他人の著作物を紹介した場合、著作権侵害であると主張される可能性があります。このように、メディアに対して著作権侵害が主張された場合は、たとえば、引用の抗弁(著作権法32条)を主張することが考えられます。また、メディアに特有の制限規定である著作権法41条(時事の事件の報道のための利用)の主張等も考えられます。
(5) パブリシティ権侵害
著名人の肖像を使用した場合には、パブリシティ権侵害を主張されることもあり得ます。パブリシティ権を有するような著名人については、一般の方とは異なり、本人ではなく所属事務所からクレームが来ることもあり得ます。
(6) 営業秘密
非公開情報について取材したり公開したりした場合には、営業秘密の不正取得や不正開示行為に該当する可能性があります(不正競争防止法2条1項4号以下)。
3. おわりに
メディア・表現に関する問題については、多くの裁判例が集積されています。しかしながら、裁判例において示された判断基準は抽象的であることが多く、具体的な事案においてどのように判断されるかの判断は専門家でないと難しい面もあります。一般的には、早い段階でご相談いただけますと、より少ないコストでより良い結果が得られる可能性が高くなりますので、お気軽にご相談ください。


