エンタテインメント ~多様な分野での日々の実務運用における各種リスクの回避のために~
1. エンタテインメント業界における法律問題について
エンタテインメント分野に関する取引では、契約書や覚書等の文書による合意がなされない不安定な状態のままビジネスが進んでいくことが少なくなく、多くの関係者が存在することも珍しくないことから、一旦紛争になってしまうと、解決まで多くの時間や費用を要してしまいます。また、エンタテインメント分野のビジネスは大衆を対象とするものが多いことから、一旦紛争となった場合、レピュテーションが毀損されるリスクがあることから、慎重な対応が必要となります。
このようなリスクを回避するためにも、平時から法的問題を検討し、予防しておくとともに、紛争が生じた場合は適切に対応することが極めて重要であるといえます。
さらに、近時のデジタル化に伴う新しいデジタルコンテンツの増加等により、これまでの法体系では保護することが難しい新たな権利関係や複雑な法律問題が発生するようになっています。
当所では、以上のような様々な問題について、法的な観点から助言、サポートをさせていただいております。
ところで、エンタテインメントと一口に言っても、映画、テレビ、アニメ、音楽、アート、演劇、芸能、小説、漫画、スポーツといった古典的なものから、ゲーム、動画配信といった比較的新しいものまで様々な業種が存在します。業界ごとに異なる慣習が存在し、また、発生する法的な問題も業界ごとに様々ですが、例えば、以下のような点が問題となることが多いと考えます。
2. 具体的な事例
各種契約書の作成・検討
どのような業種においても契約書を作成することは重要ですが、エンタテインメント業界もその例外ではありません。たとえば、クリエイターとの契約については、雇用契約ではなく、業務委託契約等の名称で作成されることも多いですが、仮に労働関係法規が適用されないとしても、独禁法・下請法等の法律を遵守する必要があり得ます。
著作権
クリエイター・芸能人等との契約においては、著作権や著作隣接権の処理等について定める必要があります。また、クリエイター等との契約においては、クリエイター個人との契約ではなく、クリエイターが所属する事務所との契約となることも多いため、クリエイターが契約当事者とならない中で、どのように契約に実効性を持たせるかも重要な検討事項になります。
商標権
新たなコンテンツを提供するにあたっては、他社の商標権を侵害しないように留意することも重要です。商標権侵害になってしまうと、コンテンツの提供を止めざるを得ません。
また、逆に、自社が提供するコンテンツの商標を模倣されないように、自らが販売・提供しようとするコンテンツの商標を出願し登録しておくことも重要になります。
特許権
特にゲーム業界においては、近時は特許権侵害訴訟も少なくありません。したがって、サービスの提供中止を阻止するために他社の特許を回避し、あるいは、似たシステムを模倣されないように積極的に特許出願することも重要です。
債権回収
エンタテインメント業界においては小規模な事業者との取引も多いため、取引先の経営状況が悪化し、債権回収が必要となることも少なくありません。
渉外事案
海外の会社やクリエイターと契約する場合には、基本的には英文の契約書を作成することになります。海外との契約の場合、ビジネスが始まる前に契約書を締結する場合が多いことも特徴です。
紛争解決
関係者との間で紛争が生じ、場合によっては訴訟に参加せざるを得ないこともあり得ます。例えば、製作委員会が関与している場合においては、製作委員会の全当事者が訴訟に巻き込まれ、訴訟が大規模化することもあります。
3. おわりに
以上はあくまでも一例であり、事案によって様々な問題が生じることになります。
当所は、上記のようなエンタテインメント業界における業務も取り扱っており、法的な観点からサポートをさせていただいておりますので、お気軽にお問い合わせください。


