平成23年(ワ)21311〔オフセット輪転機版胴事件〕<大須賀>
*納入後20年経過後の測定結果
~公然実施成立!!
「ステンレス鋼…20年…で腐食することはない…版のかからない部分は,使用による摩耗等の影響も少ない」
(判旨抜粋)
…本件輪転機の版胴は,その納入時において,乙15図面に従い,Rmaxを1.5μmに調整して加工されたことが推認される。また,被告による本件輪転機の測定結果…によれば,本件輪転機…の版胴2本の表面粗さRzは,版胴のかからない部分において,2ないし4μmであり,版胴のかかる部分においても,大半が1.0μmを超える…ことが認められる。
ステンレス鋼により形成された版胴の表面…は,20年程度の使用期間で腐食することはないとされており…,かつ,版のかからない部分は,使用による摩耗等の影響も少ないものと解される。加えて,本件輪転機の版胴につき,納入後の入れ替えや表面加工,改造等は行われていないものと認められる…。以上の事情を考慮すれば,本件輪転機の版胴は,その納入時において,表面粗さが1.0μm≦Rmax≦100μmに調整されたものであったと認めるのが相当である。
★控訴審・平成25年(ネ)10051
訂正⇒進歩性あり
https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/261/083261_hanrei.pdf
※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
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