令和1年(行ケ)第10075号<高部J>
「ポリオレフィン系延伸フィ ルムの製造方法」事件
*実施例とクレームが若干ずれていたが、当業者は、本件発明の課題を解決することを理解できると判断した。
⇒サポート要件〇
…
実施例が無くてもサポート要件〇とされた裁判例もある。
⇒平成24年(行ケ)10016
(判旨抜粋)
…本件発明6の製造方法…,実施例1,2のポリオレフィン系延伸フィルムと各層の材料は同じであり,…空気チャンネルが設けられているのが,フィルムの表面であるか樹脂層の側であるかによって,層間接着強度が大きく変わると解すべき根拠はない。
そうすると,当業者は,実施例,比較例をみれば,本件発明6のポリオレフィン系延伸フィルムについても,実施例1,2と同様に,第1のスキン層と樹脂層との優れた層間接着強度,樹脂層と被着体(紙)との優れた層間接着強度を有することや,巻取時のしわ寄りを防止する効果を奏することが理解できるというべきである。したがって,図4の装置を用いた実施例及び比較例の記載の記載が本件発明6と整合しないとしても,それのみをもってサポート要件違反となるものではない。
※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
本件に関するお問い合わせ先:h_takaishi☆nakapat.gr.jp(☆を@に読み換えてください。)