【論稿】不正競争防止法の品質等/誤認惹起行為における品質の外延(大塚理彦、パテント2025、Vol. 78 No. 2)
二重価格表示を品質等誤認惹起行為と認定する裁判例もある。
特許発明の実施品ではない商品に特許表示をする行為は直接的指示表示として品質等誤認惹起行為に該当する。
●最判昭和53年3月22日刑集32巻2号316頁『清酒特級事件』
たとえその品質が実質的に清酒特級に劣らない優良なものであっても品質等誤認惹起行為に該当する。
●大阪地判平成29年1月31日『トナーカートリッジ事件』
「仮に被告商品が原告京セラDSから指定を受けていないだけであって、客観的な品質、内容では、原告純正品と何ら変わりがないとしても、被告に指定する権限がない以上、被告によりなされた本件指定表示は、なお品質、内容につき『誤認させるような』表示であるといって差し支えないというべきである」と判示した。
創業・沿革を示す表示について品質等誤認惹起行為に該当するとした裁判例は見当たらない。
ランキングを示す表示が直接的指示表示を伴う場合には、そのような直接的指示表示をする行為が品質等誤認惹起行為に該当するか否かを判断すれば足りる。
https://jpaa-patent.info/patent/viewPdf/4609
※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
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