【意匠】部分意匠の間接侵害が認められた事例
東京地判令和3年(ワ)30281『運搬台車用の手押部材』<國分>
1.物品の類比
『本件各意匠に係る物品と、被告意匠に係る物品は、運搬台車に取り付けられて使用され、グリップ部を握った手を周囲の物体から保護する機能を有する物品であり、その用途と機能を同一にする』
2.形状の類比
『斜め上から 見た本件意匠1のグリップ部の形状と保護部の形状を組み合わせた形状を持つ公知意匠はない…。
…本件意匠1と被告意匠1’の共通点…によれば、いずれも、正面から見たとき、略アルファベットの逆「T」字の美感を生じさせるといえる。この点について、本件意匠1のグリップ部の表面は凹凸がないのに対し、被告意匠1’はグリップ部の外周面には円環状の凸条が等間隔に9本形成されている点は、要部に関する差異点であるが、その凹凸は大きいものではなく、被告意匠1’から生じる略アルファベットの逆「T」字の美感を凌駕するほどの差異であるとは評価できない。』
3.間接侵害の要件
『被告製品が、運搬台車の単管以外のものに取り付けられ、手押部材とは異なる機能又は用途を有するに至ることはないと認められるから(弁論の全趣旨)、被告製品は、運搬台車の単管の上端部に取り付けられ、運搬台車の手押部材の「製造にのみ用いる物品」(意匠法38条1号イ)である』
https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/266/093266_hanrei.pdf
【意匠】部分意匠の間接侵害が認められた事例
東京地判令和3年(ワ)30281『運搬台車用の手押部材』<國分>
1.物品の類比
『本件各意匠に係る物品と、被告意匠に係る物品は、運搬台車に取り付けられて使用され、グリップ部を握った手を周囲の物体から保護する機能を有する物品であり、その用途と機能を同一にする』
2.形状の類比
『斜め上から 見た本件意匠1のグリップ部の形状と保護部の形状を組み合わせた形状を持つ公知意匠はない…。
…本件意匠1と被告意匠1’の共通点…によれば、いずれも、正面から見たとき、略アルファベットの逆「T」字の美感を生じさせるといえる。この点について、本件意匠1のグリップ部の表面は凹凸がないのに対し、被告意匠1’はグリップ部の外周面には円環状の凸条が等間隔に9本形成されている点は、要部に関する差異点であるが、その凹凸は大きいものではなく、被告意匠1’から生じる略アルファベットの逆「T」字の美感を凌駕するほどの差異であるとは評価できない。』
3.間接侵害の要件
『被告製品が、運搬台車の単管以外のものに取り付けられ、手押部材とは異なる機能又は用途を有するに至ることはないと認められるから(弁論の全趣旨)、被告製品は、運搬台車の単管の上端部に取り付けられ、運搬台車の手押部材の「製造にのみ用いる物品」(意匠法38条1号イ)である』
※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
本件に関するお問い合わせ先:h_takaishi☆nakapat.gr.jp(☆を@に読み換えてください。)