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【商標法★】「パールアパタイト」の標準文字からなり,第1類「化学品」,第3類「化粧品,せっけん類」等を指定商品とする被告保有の登録商標は,「商品の品質の誤認を生ずるおそれがある」ものではないため,商標法4条1項16号に該当しない,と判断して,原告請求の無効審判における棄却審決を維持した事例

2022年02月02日

知財高判令和3年6月30日(令和3年(行ケ)第10010号)(大鷹裁判長)

 

◆判決本文

 

【判決要旨】

1.商標法4条1項16号所定の「商品の品質の誤認を生ずるおそれがある商標」の判断基準について

商標法4条1項16号所定の「商品の品質の誤認を生ずるおそれがある商標」に該当するためには,商標の登録査定時において,商標の構成が直接的に表示する品質を有する特定の商品と指定商品とが関連し,かつ,商標の構成が表示する特定の商品の品質と指定商品が有する品質が異なるため,指定商品の取引者又は需要者において,商標を指定商品に使用した場合に,商品の品質の誤認を生ずるおそれがあることを要する。
 
2.本件商標による商標法4条1項16号所定の「商品の品質の誤認を生ずるおそれがある商標」該当性について

本件商標は,「真珠」の意味を有する「パール」の文字と特定の意味合いを理解させるものとはいえない「アパタイト」の文字とからなる結合商標であり,その構成全体から特定の意味合いを認識できないから,特定の商品の品質を直接的に表示するものではなく,取引者,需要者において特定の商品の品質を認識させるものとはいえない。したがって,本件商標を指定商品のいずれに使用しても,商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるものと認められないから,本件商標は商標法4条1項16号に該当しない。

 

【コメント】

1.判決要旨1は,商標法4条1項16号所定の「商品の品質の誤認を生ずるおそれがある商標」の判断基準について,従前の裁判例(長野地判昭和61年6月26日無体集18巻2号239頁〔みぞれ甘納豆事件〕等)と同様に,商標の外観,称呼,観念等の構成自体から判断されるべきこと,商標が商品の品質につき暗示させるのでは足りず,具体的な一定の観念を生ぜしめることを要すること等を判示したものである。
 
2.判決要旨2は,判決要旨1を本件にあてはめて,本件商標は,その構成から特定の商品の品質が直接的に表示されないため,商標法4条1項16号所定の「商品の品質の誤認を生ずるおそれがある商標」に該当しない,と認定判断したものである。

 

【判決の抜粋】

1.商標法4条1項16号所定の「商品の品質の誤認を生ずるおそれがある商標」の判断基準について

「商標法4条1項16号が『商品の品質の誤認を生ずるおそれがある商標』について商標登録を受けることができないと規定している趣旨は,商標を構成する文字,図形等が直接的に特定の商品の品質を表示するものであるため,当該商標が特定の商品以外の商品に使用された場合に,取引者,需要者が商品の品質を誤認して,商品を購入することがないように取引者,需要者の保護を図ることにあるものと解される。

そうすると,本件商標が同号に該当するというためには,本件商標の登録査定時である平成23年1月6日の時点において,本件商標の構成が直接的に表示する品質を有する特定の商品と指定商品とが関連し,かつ,本件商標の構成が表示する特定の商品の品質と指定商品が有する品質が異なるため,指定商品の取引者又は需要者において,本件商標を指定商品に使用した場合に,商品の品質の誤認を生ずるおそれがあることを要するものと解される。」
 
2.本件商標による商標法4条1項16号所定の「商品の品質の誤認を生ずるおそれがある商標」該当性について

「以上を前提に,本件商標が同号に該当するかどうかについて判断する」と,「『パールアパタイト』の語が,一般の辞書等に掲載されていることを認めるに足りる証拠はない」「一方で,本件商標を構成する『パール』の文字部分は,『真珠』の意味を有するものと認められる(甲3,11,12)。」また,「『アパタイト』の語が,本件商標の登録査定時において,取引者,需要者の間で,歯の再石灰化を促し美白効果のある『ハイドロキシアパタイト』又は光触媒応用製品に適用可能な『アパタイト』を意味する語として,一般的に広く認識されていたものと認めることはできず,他にこれを認めるに足りる証拠はない。かえって,『アパタイト』は,M10(ZO4)6X2の組成をもつ結晶鉱物の総称であって,具体的な特定の物質を表するものではなく,このことからしても『アパタイト』が特定の意味合いを理解させるものとはいえない。」

以上「によれば,本件商標は,『真珠』の意味を有する『パール』の文字と,特定の意味合いを理解させるものとはいえない『アパタイト』の文字とからなる結合商標であり,その構成全体から,特定の意味合いを認識することはできないから,特定の商品の品質を直接的に表示するものと認めることはできない。」

この「とおり,本件商標の構成が直接的に特定の商品の品質を表示するものと認めることはできないから,本件商標は,取引者,需要者において,特定の商品の品質を認識させるものとはいえない。

したがって,本件商標を本件審判の請求に係る指定商品のいずれに使用しても,商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるものと認められないから,本件商標は商標法4条1項16号に該当しないとした本件審決の判断に誤りはない。」

 

【Keywords】商標法4条1項16号,商品の品質の誤認を生ずるおそれがある商標,パールアパタイト,炭プラスラボ,御木本製薬

 

※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。

 

文責:弁護士・弁理士 飯田 圭(第二東京弁護士会)

本件に関するお問い合わせ先:k_iida@nakapat.gr.jp

 

 
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