【商標/立体商標・3条2項】令和6年(行ケ)10047<宮坂>
*シンゴジラのフィギュアの立体商標について、3条2項適用〇
(判旨抜粋)
シン・ゴジラの立体的形状は、それ以前のゴジラ・キャラクターと比較して、頭部が小さくなり、前脚(腕)の細さが一層際立つ一方、尻尾はより太く長くなっているなど、全体のプロポーションに違いが生じているほか、背中から尻尾にかけての部分を中心に赤みがった色彩が加わっている等の違いがあり、被告が主張するとおり、両者を同一(実質的に同一)と認めることは相当でない。しかし、商標法3条2項の「使用」の直接の対象はシン・ゴジラの立体的形状に限られるとしても、その結果「需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができる」に至ったかどうかの判断に際して、「シン・ゴジラ」に連なる映画「ゴジラ」シリーズ全体が需要者の認識に及ぼす影響を考慮することは、何ら妨げられるものではなく、むしろ必要なことというべきである。
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被告は、使用商品が掲載された雑誌の種類が少ない、書籍や展示即売会の来場者は限定されている、ゴジラ像の恒常的設置は東京都内の4か所にとどまる、本件アンケートには本願商標の立体的形状と原告との関連についての質問がないなど、原告の主張立証の逐一を論難するが、ゴジラ・キャラクターの圧倒的な認知度の前では些末な問題にすぎず、上記(2)の判断を左右するものとはいえない。
https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/479/093479_hanrei.pdf
※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
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