東京地判令和7年(ワ)70003【喫煙具用カートリッジ】<澁谷>
*訴訟手続中で損害賠償請求権を放棄した。
⇒差止請求の税関手続きが残っているが、損害賠償請求権不存在のみを主張する不存在確認訴訟は、即時確定の利益なし。
(判旨抜粋)
被告は、本件各訴え提起後の令和7年2月27日、原告らに対し、本件損害賠償請求権を放棄し、同請求権を行使しない旨通知し、また、同年4月23日に行われた本件第2回口頭弁論期日において、本件損害賠償請求権を放棄し、訴訟内外を問わず、撤回、取消し又は無効の主張を行わないと陳述したことが認められる。
以上によれば、被告の原告らに対する本件損害賠償請求権が存在しないことは被告の自認するところであり、この点について、現に当事者間に紛争が存在し、原告らの有する権利又は法律上の地位の不安、危険が存在しているとはいえず、即時確定の利益があるとは認められない。
本件各訴えは、本件損害賠償請求権の不存在の確認を求める訴えであって、たとえこれを認容する判決が確定したとしても、本件特許権の侵害の有無に係る理由中の判断が既判力をもって確定されるものではないから、被告が原告らに対し本件特許権に基づく差止請求権や別件訴訟に係る請求権を行使することは妨げられない。かえって、原告らは、被告による本件特許権の侵害に基づく本件製品についての差止請求権を争うためには、端的に当該差止請求権の不存在確認請求訴訟を提起することができるのであるから、本件損害賠償請求権が存在しない旨の確認判決を得ることが、原告らの権利又は法的地位への危険又は不安を除去するために必要かつ適切であるということはできない。
なお、原告らは、被告が損害賠償の一部請求訴訟を提起する場合と原告らが差止請求権の不存在確認請求訴訟を提起する場合とで印紙代の負担に差異があるなどとも主張するが、かかる事情は即時確定の利益に直ちに影響を与えるものではなく、上記判断を左右するものではない。
https://www.courts.go.jp/assets/hanrei/hanrei-pdf-94270.pdf
※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
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