【不競法/営業秘密】大阪地判令和5年(ワ)2681
*『秘密保持特約が有効であるためには、保護に値する営業秘密等が存在しなければならない』!!
⇒NDAの対象を不競法の「営業秘密」に限らないと解されるように条項を工夫すべき。
*秘密管理性なし⇒一般不法行為も不成立
(判旨抜粋)
秘密保持特約が有効であるためには、保護に値する営業秘密等が存在しなければならないが、本件複製情報には少なくとも秘密管理性及び有用性がなく、本件資料データは秘匿性の高いものではないから、いずれも保護すべき営業秘密等に当たらない。また、被告P2は、本件入社誓約書及び本件秘密保持誓約書に署名押印しているが、その具体的な内容を原告から説明されたことはなく、これらを根拠として不必要かつ過度な秘密保持義務を負わされるべきではない。よって、本件複製情報の取得や本件資料データの提供につき、被告P2に秘密保持義務違反はない。
…原告の運営管理システム内の情報(本件複製情報及び本件資料データを含む)に係る当時の情報管理体制に照らせば、本件複製情報及び本件資料データは、いずれも秘密管理性を欠き、不競法2条6項にいう「営業秘密」に当たらず、また、このような情報の取扱いに関する行為につき、不競法上保護される利益とは別個の利益を考慮すべき事情も、本件において見当たらない。
したがって、被告P2について違法な行為はなく、これを前提とする被告らの共同不法行為も成立しない。
https://www.courts.go.jp/assets/hanrei/hanrei-pdf-93552.pdf
※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
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