【論稿/不競法】未知の利用方法にかかる権利の帰属(安藤和宏、知的財産法政策学研究Vol.26(2010))
*東京高判平成14年(ネ)5907(快傑ライオン丸事件)
「『放送権』を1000万円で譲渡する」という契約文言に、契約当時存在しなかった『衛星放送』は含まれないと判断した。
*東京地判平成18(ワ)1769(THE BOOM事件)
「甲はこれを何ら制限なく独占的に乙に譲渡する」という契約文言に、契約当時存在しなかった『送信可能化権』も含まれると判断した。
⇒快傑ライオン丸事件との関係は、著作権の一部譲渡の事案であって、包括的な全部譲渡を目的としたものではなかったから、おのずと当事者の意思解釈の手法や内容が異なる。
*東京地判平成18(ワ)8752(HEAT WAVE事件)
「『一切の権利(X2の著作隣接権を含む)に実演家の送信可能化権が含まれるか否かについては、契約の解釈の手法に則り…総合的に考慮して判断する。」
⇒契約当時存在しなかった『送信可能化権』も含まれると判断した。
※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
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