(譲渡の申出)令和2年9月24日

東京地判平成28年(ワ)25436【L-グルタミン酸の製造方法】<矢野>

 

譲渡人と申出者とが異なっても、一定の関係にある場合は「譲渡の申出」成立

「譲渡」が外国でも譲渡の申出が成立した事案

 

⇒外国での売上高を基準として102-2

 

特殊事情あり~一般化は要注意

 

 

(判旨抜粋)

被告は,特許法上の「譲渡」は日本国内での譲渡を意味し,その準備行為である「譲渡の申出」も日本国内での譲渡のための申出を意味するから,CJインドネシア販売分についての被告の行為は譲渡の申出には当たらないとも主張する。

確かに,…CJインドネシア販売分に係る本件MSGの買主への譲渡は日本国外において行われているものと認められるものの,CJインドネシア販売分はいずれも日本の買主に対する販売であり,本件MSGの引渡し自体は船積みの際になされるとしても,その後に本件MSGが買主側によって日本国内に輸入されることが予定されているものであった。譲渡の申出が譲渡とは別個に実施行為とされている趣旨からすれば,CJインドネシア販売分に係る本件MSGのように,日本国内での営業活動の結果,日本の買主に販売され,日本国内に輸入される商品について,その買主への譲渡が日本国外で行われるか,日本国内で行われているか否かの違いのみで,当該営業活動が,日本における譲渡の申出に当たるかどうかの結論を異にするのは相当ではなく,…日本国内において被告とCJインドネシアが共同してCJインドネシア販売分に係る営業活動を行うことは,被告による「譲渡の申出」に当たると解するのが相当であり,この点の被告の主張は採用できない。

 

https://www.courts.go.jp/…/hanrei_jp/053/090053_hanrei.pdf

 

 

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※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
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