平成31年(行ケ)10043【高コントラストタイヤパターン】<鶴岡>

 

*主引例に、主引例と異なる課題を解決した副引例を組み合わせることが、「別の理由から、」容易想到とされた

⇒数値限定発明の、進歩性×

 

甲2文献は“副引例”

 

(判旨抜粋)

[相違点2]本件発明3は「ブレードの壁は,その面積の少なくとも1/4にわた り,5μm~30μmの平均粗さRzを有し,この平均粗さを有するブレードの壁は,ブレードの高さの下四分の一に位置している」との事項を有しているのに対して,甲1発明は,多数の細溝4から形成される壁状の構造の平均粗さについて特定されていない点。…

 

…表示マークの識別性向上は,タイヤの外観を優れたものとするための一手段であり,甲1発明のタイヤの外観をさらに向上させる手段があるのであれば,それが望ましいことといえる。…甲2文献は外観を向上することを目的とするとされているから,甲1発明に接した当業者であれば,甲2文献に記載された内容を検討対象とすると考えられる。…

 

甲2文献の記載事項は,表示マーク部分を含む,甲1発明のタイヤの外観をさらに向上させるのに適した内容と考えられるから,当業者であれば,甲1発明に甲2文献の記載事項を組み合わせることを試みる十分な動機付けがあるといえる。

 

…甲2文献には,コントラストを高めるという発想はないが,そうであっても,別の理由から,甲1発明との組み合わせが試みられることは,以上に述べたところから明らかである。

https://www.ip.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/248/089248_hanrei.pdf

 

※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
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