平成31年(ネ)10010【導光板】

 

*「自白」の成否

 

*控訴人が,原審で「被告製品の回折格子はガイドライン表面に設けられているとの事実」を陳述した。

 

「特許発明の技術的範囲に関する技術的事項の細部にわたる主張とその認否は,主要事実の自白となるものではない…」

 

 

(判旨抜粋)

…控訴人は,原審では,専ら均等侵害の主張をし,均等の第1要件(非本質的部分)を充足しないと判断されたことから,当審においては,被告製品が文言上も本件発明の技術的範囲に属するとの文言侵害の主張を追加した。…

このことについて,被控訴人は,控訴人が,原審においては「被告製品の回折格子はガイドライン表面に設けられているとの事実」を陳述していたのに,当審において,被告製品の回折格子がガイドラインの裏面に設けられているとの事実を主張することは,成立した自白に抵触し許されないと主張する。しかし,特許発明の技術的範囲に関する技術的事項の細部にわたる主張とその認否は,主要事実の自白となるものではないから,これについて裁判所も当事者も拘束されることはない。

よって,控訴人の上記主張は,成立した自白に抵触し許されないものではない。

http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/817/088817_hanrei.pdf

 

※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
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