平成30年(行ケ)10065【安定な炭酸水素イオン含有薬液】<大鷹>

 

*他の相違点が埋まれば自ずと備える特性は相違点でない

 

「少なくとも27時間にわたって不溶性微粒子や沈殿の形成が実質的に抑制される」という構成は…発明1の構成とした場合に,自ずと備える…

 

(判旨抜粋)

【請求項12】…A液とB液を合した混合液において,カリウムイオン濃度が3.5~5.0mEq/Lであり,無機リン濃度が2.3~4.5mg/dLであり,そして少なくとも27時間にわたって不溶性微粒子や沈殿の形成が実質的に抑制される, 用時混合型急性血液浄化用薬液充填容器…

 

…本件訂正発明1の特許請求の範囲(請求項1)の記載及び本件明細書の記載を総合すると,本件訂正発明1の「そして少なくとも27時間にわたって不溶性微粒子や沈殿の形成が実質的に抑制される,」との構成は,本件訂正発明1のA液及びB液の成分組成及びそれらのイオン濃度を請求項1に記載されたものに特定することによって実現されるものと理解できる。…

本件訂正発明1の「少なくとも27時間にわたって不溶性微粒子や沈殿の形成が実質的に抑制される」という構成は,引用発明2において,相違点(甲3-1-1’),(甲3-1-4’),(甲3-1-6’)ないし(甲3-1-8’)に係る本件訂正発明1の構成とした場合に,自ずと備えるものといえる。したがって,引用発明2において,相違点(甲3-1-3’)に係る本件訂正発明1の構成とすることは,当業者が容易に想到することができたものと認められる。   https://www.ip.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/668/088668_hanrei.pdf

 

 

※別特許H30(行ケ) 10061「安定な炭酸水素イオン含有薬液」<大鷹>も参考になる!!

*技術常識の積み重ね

⇒7個の相違点は、何れも容易想到

 

※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
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