平成27年(行ケ)10260【ロータリーディスクタンブラー錠及び鍵】<高部>

 

平成23年特許法改正により、一事不再理効(特許法167条)の第三者効が廃止された。

 

⇒特許無効審判の一回的紛争解決を図るという趣旨をより重視して解するのが相当である。⇒この事案では「同一」

 

(判旨抜粋)

…平成23年法律第63号による改正前の特許法167条においては,一事不再理効の及ぶ範囲が「何人も」とされており,先の審判に全く関与していない第三者による審判請求の権利まで制限するものであったことから,「同一の事実及び同一の証拠」の意義を拡張的に解釈することについては,第三者との関係で問題があったということができる。しかし,上記改正によって第三者効が廃止され,一事不再理効の及ぶ範囲が先の審判の手続に関与して主張立証を尽くすことができた当事者及び参加人に限定されたのであるから,「同一の事実及び同一の証拠」の意義については…特許無効審判の一回的紛争解決を図るという趣旨をより重視して解するのが相当である。…確定した前件審決と主引用例が同一であり,まして,多数の副引用例も共通し,証拠を一部追加したにすぎない本件審判の請求は,「同一の事実及び同一の証拠」に基づくものと解するのが…特許法167条の趣旨にかなうものというべきである。…                            https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/164/086164_hanrei.pdf

 

※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
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