平成26年(行ケ)10027【…素子用発光材料】<石井>

 

引用例は、サポート要件や実施可能要件を欠くしても,当業者が理解する技術的事項は、各要件を充足する範囲に限定されない。

 

⇒引用発明適格性あり

⇒進歩性×

 

 

(判旨抜粋)

公知文献から把握される技術的事項が,必ずしも特許要件を満たすような構成に限られる必要はないことは明らかであり,このことは,例えば,特許法29条1項各号に掲げられた発明が特許された発明に限定されていないことからも裏付けられる。したがって,仮に,請求項や明細書の記載が,サポート要件や実施可能要件を欠くとして拒絶の理由が生じ得るものであったとしても,そのことにより,当該公開公報を技術文献として読んだ当業者が理解する技術的事項の範囲を,上記各要件を充足する範囲に限るべき理由はない。

 

https://www.ip.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/894/084894_hanrei.pdf

 

※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
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