平成20年(ネ)10085【インターネットサーバのアクセス管理およびモニタシステム】<滝澤>

 

<損害論>

 

*無償で提供した物についても、特許法102-3の損害発生を認めた。105-3適用。

 

「侵害行為に該当する特許発明の実施について,特許権者が無償でこれを許諾することは通常考えられない」

 

(判旨抜粋)

…登録を無料としているのは,検索の可能性が高い商標権者については,サービスの利用率を高めるために無料で登録をさせる意味があると考えての措置であると認められるから,一般のユーザーによる有料のキーワード登録を加えて被控訴人サービスを開始するための前提となるものである。…特許権者が特許発明の実施を許諾する場合において,特許権者と被許諾者との間に特許発明の実施を無償で許諾することがあり得るような特別の関係があるような場合であれば格別,特許権の侵害行為に該当する特許発明の実施について,特許権者が無償でこれを許諾することは通常考えられないところ,被控訴人方法の実施が本件特許権を侵害するとして同方法の差止め及び損害賠償を求める本件において,互いに争っている控訴人と被控訴人との間に,上記のような特別の関係があるといえないことは明らかであり,被控訴人方法の実施によって,控訴人には上記の意味における損害が発生しているといわざるを得ない。

 

 

 

※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
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