平成2年(行ケ)10106【読取装置】<森>

 

*引用発明適格否定(「甲1発明2」)

⇒単独で用いられることが想定されないと、引用発明適格×

 

甲1発明の「読取り/書込みモジュール200」が単体で,本件発明と対比されるべき「読取装置」であると認めることはできない。

 

 

(判旨抜粋)

…甲1発明の「読取り/書込みモジュール200」は,「防壁」が存在しない状態で単独に用いられること,すなわち,「読取り/書込みモジュール200」だけで電波の漏えい又は干渉を防止することは想定されていないものと認められるところ,外部への電波の漏えい又は干渉を防止する機能は,本件発明と対比されるべき「読取装置」には欠かせないものであるから,甲1発明の「読取り/書込みモジュール200」が単体で,本件発明と対比されるべき「読取装置」であると認めることはできない。以上によると,本件審決のように甲1発明2を認定して,これを本件発明と対比することはできないというべきである。

…被告は,読取装置を独立した発明として把握する公知文献等として…を挙げるが,甲1発明の「読取り/書込みモジュール200」の構成は,これらの先行文献に記載された技術とは異なるものであるから,被告の主張は,上記…の判断を左右するものではない。

 

https://www.ip.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/343/090343_hanrei.pdf

 

※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
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