大阪地判平成27年(ワ)5869【水中構造物の洗堀防止剤】<森崎>

 

*公然実施品が数値に入れば、認識がなくても公然実施成立!!

 

「原告は…数値限定が認識されないと主張するが,公然実施されたOBネットユニットの使用態様が上記限定された数値内…であれば…公然実施された」

 

(判旨抜粋)

【請求項1】 …袋体に充填する塊状物の量が,袋体を吊りロープで吊り上げたとき,錐体状に形成される洗掘防止材の高さの25%~80%が塊状物の存在しない錐体状の空所となる量である,水中構造物の洗掘防止材。

 

原告は,上記の認識の限度であれば,本件発明の構成要件Aの「式3≦N/M≦20」の数値限定,あるいは構成要件Eの「25%~80%」の数値限定が認識されないと主張するが,公然実施されたOBネットユニットの使用態様が上記限定された数値内,すなわち本件発明の下位概念に一致するのであれば,これをもって本件発明が公然実施されたといって差し支えないから,この点についての原告の主張は失当である。

 

※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
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