令和2年(行ケ)10030【排水栓装置】<鶴岡>

 

周知技術も組み合わせの動機付けが必要

⇒動機付けなし(進歩性〇)

 

※清水元判事は、周知技術は技術分野が同じであれば動機付け不要と述べたが、「周知技術」とは動機付け不要な程度に周知である技術であるという文脈であった。

 

(判旨抜粋)

甲1の記載事項全体(図面を含む。)をみても,…取付けの強固さや水密性等の観点から,改良すべき課題があることを示唆する記載もない。…本件周知技術に係る甲3,5及び8には,円筒状陥没部の底部に形成した内向きフランジ部を排水口金具と接続管とで挟持取付ける構成の作用等について述べた記載はない。また,甲3,5及び8には,取付けの強固さや水密性等の観点から,内向きフランジ部を排水口金具と接続管とで挟持取付ける構成が,甲1の図面記載の縁部2が排水カップ6と排水ケーシング3とで挟持取付けられる構成よりも優れていることを示唆する記載はない。…甲1に接した当業者は,甲1発明の縁部2の構成について,取付けの強固さや水密性の点において課題があることを認識するとはいえないから,甲1発明の縁部2に本件周知技術の構成を適用する動機付けがあるものと認めることはできない。

 

 

 

https://www.ip.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/279/090279_hanrei.pdf

 

※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
本件に関するお問い合わせ先:h_takaishi☆nakapat.gr.jp(☆を@に読み換えてください。)