令和1年(行ケ)10123<高部>【熱によるS/N比値への影響の少ない低エネルギー粒子放出装置乃至粒子吸収装置】

 

*新規事項追加の要件

⇒ソルダーレジスト大合議判決以前の厳格基準を用いて判断した.

 

「公知のものや本願発明についての説明であっても,出願時の明細書に記載されているに等しいといえるものでなければ新規事項である…。」

 

(判旨抜粋)

本件第1補正に係る事項は、本件当初明細書には記載がなく、本件当初明細書の記載から自明でもない。…

原告は,本件第1補正について,既知である科学的なことを書き加えたものである,新しいことを追加したが,それは説明を加えたものである,ナノワイヤと書いてなかったが,より広い意味のナノオーダの構造物について記載しており,ただ例示しただけである,例えば,材質については,電流を流すときに金属材料であるということを記載したにすぎないなどと主張する。 しかし,公知のものや本願発明についての説明であっても,出願時の明細書に記載されているに等しいといえるものでなければ新規事項であるところ,ナノオーダの構造物の具体的な物質,形状,寸法等がそのようなものとはいえない…。  https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/323/089323_hanrei.pdf

 

※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
本件に関するお問い合わせ先:h_takaishi☆nakapat.gr.jp(☆を@に読み換えてください。)