令和1年(行ケ)10100<鶴岡> 〔窒化物半導体積層体〕
*周知技術の上位概念化の限界
「半導体積層体構造や技術的意義を捨象し 上位概念化して,…駆動電圧を低くする という課題を解決するために…Alの比率を 傾斜させた組成傾斜層を採用することを導く ことは,後知恵…」
(判旨抜粋)
引用文献4から6において,組成傾斜層の技術は,それぞれの素子を構成する特定の半導体積層体構造の一部として,異なる技術的意義のもとに採用されているといえるから,各引用文献に記載された事項から,半導体積層体構造や技術的意義を捨象し上位概念化して,半導体発光素子の技術分野において,その駆動電圧を低くするという課題を解決するために,AlGaN層のAlの比率を傾斜させた組成傾斜層を採用すること(本件技術)を導くことは,後知恵に基づく議論といわざるを得ず,これを周知の技術的事項であると認めることはできない。
https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/342/089342_hanrei.pdf
※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
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