令和1年(行ケ)10076【炎症性疾患および自己免疫疾患の処置の組成物】<森>

 

*効果のクレームアップ

 

*引用発明に内在する効果を、出願日後の実験で立証することはできない。

 

「出願日より後に行われた実験……先願発明…が…作用を有することが知られていた…証拠はない…」

 

(判旨抜粋)

原告は,甲34及び39によると,「hIL-2-N88R」が,CD4陽性FOXP3陰性T細胞においても,STAT5のリン酸化を誘発する能力が低下していること(CD4陽性FOXP3陰性T細胞の増殖に対する活性が低下していること)を確認することができるため,CD4+細胞での効果は,先願発明2に内在していた効果にすぎず,それによって新たな用途が見いだされたわけではないから,このようなCD4+細胞での効果を理由に,公知の用途発明である本件発明1に新規性を認めることはできないと主張する。しかし,甲34及び39の上記の記載は,本件特許の出願日より後に行われた実験によるものであり,本件特許の出願日より前に,先願発明2の「hIL-2-N88R」が,CD4陽性FOXP3陰性T細胞についても,STAT5のリン酸化を誘発する能力を低下させる作用を有することが知られていたことについての証拠はないから,本件発明1の新規性が失われることはない。…

https://www.ip.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/903/089903_hanrei.pdf

 

 

 

 

legal_updates_jp/%E3%80%90%E7%89%B9%E8%A8%B1%E2%98%85%E2%98%85%E3%80%91%E3%82%AF%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%82%A2%E3%83%83%E3%83%97%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%9F%E5%8A%B9%E6%9E%9C%E3%81%8C%E6%A7%8B%E6%88%90%E3%81%A7/

 

※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
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