サポート要件と実施例

 

平成24年(行ケ)10016【ポリウレタンフォームおよび発泡された熱可塑性プラスチックの製造】

 

分割出願において、クレームに含まれる実施例が無くても、サポート要件OK

 

※補正によりクレームに含まれる実施例が無くなったがサポート要件〇。

 

Cf.H24(行ケ)10076

【ヒンダードフェノール性酸化防止剤組成物】は、補正/分割なく実施例無いがサポート要件〇

 

(判旨抜粋)

本願明細書には,…有利な組合せの一つとして,本願発明で用いる発泡剤組成物である,成分a)HFC-365mfc及び成分b)HFC-245faの組合せがあることが記載されているといえる。また,本願明細書には,本願発明で用いる発泡剤組成物を用いてポリウレタン硬質フォームを製造したことを示す実施例は記載されていないものの,成分a)HFC-365mfcと組み合わせる成分b)として,HFC-152a(例1a),HFC-32(例1b),及びHFC-152aとCO2(例1c)を用いてポリウレタン硬質フォームを製造したことが,具体的に開示されているといえる。そうすると,本願発明で用いる発泡剤の成分b)であるHFC-245faは,上記のとおり,ひとまとまりの一定の発泡剤のひとつとして記載されている上,本願明細書の実施例で使用された成分b)であるHFC-152aやHFC-32と同様に低沸点であり,技術的観点からすると化学構造及び理化学的性質が類似するといえることも併せ考慮すると,実施例1a)~c)と同様にHFC-245faを使用することによりポリウレタン硬質フォームを製造する方法が開示されていると解するのが相当である。

 

https://www.ip.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/636/082636_hanrei.pdf

 

※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
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