「パラメータ発明のサポート要件」

-(令和元年(行ケ)第 10173 号〔両面粘着テープ事件〕を契機として)-

(パテント誌2021年5月号、Vol. 74 No. 5)

 

偏光フィルム知財高裁大合議判決は,サポート要件の判断基準として,❶条文の文言,及び❷当業者が発明の課題を解決できると認識できるという要件に加えて,「パラメータ発明」については「数式が示す範囲と得られる効果(性能)との関係の技術的な意味」を当業者が認識できるという要件❸を加重した。この要件❸の適用を否定した〔両面粘着テープ〕判決を契機として,要件❸の実務上の影響及び適用の境界線を探る(<切り口①>)。また,発明の「課題」を個別的・具体的に認定するか,上位概念で抽象的に認定するかという観点(<切り口②>),クレーム文言に形式的に属する全ての範囲について発明の課題を解決できると当業者が認識できる必要があるか(<切り口③>)という観点を裁判例に基づいて考察し,位置付け及び境界線を探る。最後に,発明が解決する課題をクレームアップするとサポート要件を満たすか(<付録>)という最近の重要トピックについて裁判例を確認する。

 

https://system.jpaa.or.jp/patent/viewPdf/3788

 

※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
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