東京地判平成7年(ワ)23005【抗真菌外用剤】
*優先権主張の基礎となった外国出願中の出願経過中における特許権者の主張も、クレーム文言解釈に考慮された。
=大阪地判昭和47年(ワ)1526【チャック】
(判旨抜粋)
…本件発明の特許請求の範囲の文言、本件明細書の発明の詳細な説明における記載や実施例の内容、本件特許出願の過程における原告の主張内容、原告の欧州特許庁に対する提出書類の内容等を総合すると、本件発明は、抗真菌剤として公知のミコナゾール等を用いる抗真菌外用剤に関するものであり、製剤化するにあたって、通常の外用剤の製法に従って外用基剤にミコナゾール等を直接添加したのでは、結晶の析出がみられて所望の外用剤が得られないという問題点があることに鑑み、外用剤の薬効成分としては公知であるものの、ミコナゾール等の 溶解剤としては知られていないクロタミトン等をミコナゾール等の溶解剤として使用するという新規な技術思想を用い、右の溶解液を外用基剤で製剤化することによって、結晶の析出のない優れた外用剤を得ることをその内容とする発明であるものということができる。
そうすると、…本件特許請求の範囲における「溶液」とは、化合物(I)を溶質とし、クロタミトン等を溶媒とする溶液を指すものと解釈するのが相当である。
https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/763/013763_hanrei.pdf
※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
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