令和5年(ネ)10026【シュープレス用ベルト】<宮坂>
(原審・大地平成29年(ワ)4178)
控訴人は、排水溝の『全長にわたって』Raが2.0μm以下は非現実的と主張するが、特許請求の範囲には、一部は2.0μmを超える、あるいは平均値が2.0μmであるものを含むと解すべき文言はない。
(原審・大地平成29年(ワ)4178の判旨抜粋)
構成要件2Bは「前記排水溝の壁面の表面粗さが、算術平均粗さ(Ra)で、2.0μm以下であることを特徴とする、」と規定しており、その他の構成要件をみても、表面粗さが2.0μm以下であるべき範囲や割合等について何ら限定を加えていない。また、本件明細書2をみるに、表面粗さが2.0μm以下であるべき範囲や割合等について限定を加える記載や表面粗さが2.0μmを超えた場合であっても表面粗さが2.0μm以下である場合と同様の作用効果を奏する条件等に関する記載は見当たらない。そうすると、構成要件2Bの「排水溝の壁面の表面粗さが、算術平均粗さ(Ra)で、2.0μm以下であること」とは、その字義どおり、排水溝の全長にわたって、その壁面の表面粗さが、算術平均粗さ(Ra)で、2.0μm以下であることを要すると解するのが相当である…。
https://www.ip.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/751/092751_hanrei.pdf
※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
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