【論稿】越境的な行為への「譲渡の申出」の適用、損害の 範囲及び均等論が問題となった裁判例についてーL-グルタミン酸製造方法事件一審判決ー(鈴木將文、知的財産法政策学研究Vol.67(2023))
※米国、英国、ドイツにおける「譲渡の申出」の動向
*独立の侵害行為と捉えている点では一致する。
特許制度の属地主義との関係で問題となり得る行為地に関し、『譲渡(又は販売)』と『その申出』のそれぞれの地について、
①米国では、前者が国内であれば後者は国内でなくてもよい。
②英国ではいずれも国内であることを要する。(英国では申出と侵害の双方が特許権存続中に行われる場合に侵害が成立する旨を述べる裁判例がある。)
③ドイツでは、後者が国内であれば、前者は国内外を問わないとされてきたが、近年は、申出自体がドイツで行われたといえるにとどまらず、申出の対象もドイツとの関連性を必要とする考え方が強まっている。(ドイツでは、特許権の存続期間経過後の譲渡を約束する申出を、存続期間中に行う行為も侵害となる。)
※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
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